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re-Heart Note

リハート、それは心癒す日々。

美容内科医 服部達也 ブログ
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ツナ缶回収について
JUGEMテーマ:健康
シーチキンマイルドの缶詰が数百万個回収になったと、ニュースで報じられているね。
ツナ缶を食べた人から、「舌がしびれる」とか「体がかゆくなった」とかいう電話をもらって調査したら、基準値を超えるヒスタミンが検出されて回収することになったと。

それに関して、数年前に書いた記事(リンク)を張り付けておく。

http://hattatsu.jugem.jp/?day=20100612


これは、サバにあたる人の原因はアレルギーではなくてヒスタミン中毒によるものなんだよってことを書いたものだけど、
シーチキンマイルドの原料である鰹(かつお)にもヒスタミンがたまって、それがツナ缶の中にたまってたということだね。
そもそも、ツナ缶なのにカツオを使ってんじゃないよという気もするが(コンビーフなのに牛じゃないのと一緒か)、鰹もマグロやサバなどと同じようにヒスタミンがたまりやすい魚だから、温度管理には気を付けなければならないはずだ。
一度たまったヒスタミンは熱処理されても減ることがないから、缶詰にしても濃度が変わらないんだね。

まあなにはともあれ、とりあえず前に書いた記事を読んでみよう。
話はそれからだ。
| 服部達也 | 内科・病気 | 15:24 | comments(2) | - |
インフルエンザはどれくらいで人にうつらなくなるのか
もうかなり下火になってきたけど、インフルエンザが1月2月とかなりはやったよね。
で、インフルエンザにかかってしまって仕事や学校に戻るとき、いつから復帰できるのかよくわからない。
子供の場合、学校保健安全法が昨年の3月に改められて、「発症後5日を経過して、かつ解熱後2日を過ぎた」ら出席停止を解いてもいいとされた。
おとなの場合はどうだろうか。


日本臨床内科医会インフルエンザ研究班の廣津伸夫先生が医事新報にレポートを載せていたので簡単に説明してみよう。

調べ方は、インフルエンザにかかった人からいつまでウィルスが排出されているかを迅速キットで検査するというもの。
成人、中学生、幼児に分類して調べているが、まずは治療したほうが早期にウィルスが検出されなくなっていた。
ま、そりゃそうか。

そして成人と幼児を比べると、成人のほうが早くウィルスが消失することもわかった。

で、肝心のウィルス消失期間だが、どうやら解熱後3日経過してからも20〜30%の人からウィルスが検出されていたことがわかった。

つまり、解熱して3日たっても人にうつす可能性があるということがいえるということだ。


しかし、このときにはウィルス量がかなり減少しており、密な付き合いをしなければそんなに簡単にうつるものではないらしい。
たとえば、学校や職場くらいの付き合いであればまあ大丈夫だろう。
ただ、家庭ではうつる可能性がある。
それくらいの考えでいいらしい。

ということは、解熱して3日経っていれば、学校や職場に行っていいと考えられるが、家の中ではうつすかもしれないので注意が必要。
こんな感じで考えておけばいいようだ。

なるほど。
| 服部達也 | 内科・病気 | 17:23 | comments(0) | - |
さあみんなで考えよう
急に寒くなってきて、風邪をひく人が増えている。
インフルエンザはまだ流行の兆しがないけど、いきなり広まったりすることもあるから油断はできない。

さて、インフルエンザの予防といえば「手洗い」と「うがい」と「マスク」と相場が決まっているが、はたしてそれらは本当に意味のあることなのだろうか。

WHOのホームページを見ると、インフルエンザに対しては手指の消毒と空気の浄化(空気の入れ替えみたいなことか)が奨励されている。
うがいなんてひとことも書いていない。

4年前にこのブログに書いたのだが(読み返したい人はこちらをチェック)、そもそも「うがい」という言葉は鵜飼(うかい)から来ているらしいし、日本だけの習慣だ。(中国とかにもあるのかな?)
毎年この季節になると「インフルエンザの予防にはうがいをしましょう」なんて当然のように言われるけど、日本しかやっていない習慣が意味のあることなのだろうか。
インフルエンザに効果的であるということが認められていたら、WHOも推奨するはずだが、まったくの無視だ。
日本WHO協会のHPを見ると、「うがいはのどの乾燥を防ぐ」と書いているが、まあそれだけでしかないよな。

インフルエンザ予防治療ガイドラインを見ると、うがいは風邪を予防することができたが、うがいではインフルエンザを予防することができなかったという研究結果が載っていた。

これらを考えると、手洗いはインフルエンザの予防に意味があるが(WHOも認めているから・・・)、うがいは別にインフルエンザの予防になんかならないと言っても良さそうだ。
もちろん、うがいをすることによってのどの乾燥を防いで風邪を予防することはあるかもしれないが、そんなのでいいのなら水を飲んでおけばいいということになる。
飴をなめていたり、マスクをするだけでもいいだろう。


うがいはいい、なんて盲目的に実践したり人に勧めたりしている人もいるが、それが果たして本当に意味があるのかを考えてほしい。
別に、ずっと習慣として続けてる人にやめろと言っているのではない。

ちなみに、私はまったくうがいなんてすることはない。
いままでもしてこなかったし、これからもすることはないだろう。

| 服部達也 | 内科・病気 | 17:00 | comments(0) | - |
ヒトのフェロモン

ネタに困ったときの医事新報。
今回も、医事新報で見つけた気になる記事を紹介してみる。。


女性ならうなずいてもらえる話だと思うが、同じ職場で働いていると、生理周期が段々近づいていって、みんな同じタイミングで生理を迎えるようになる。
これは、McClintockという女性が、「女子学生が共同生活を始めると月経周期が同調する」と、1971年に発表したのが最初の報告とされている。
寄宿舎効果(あるいはドミトリー効果)、とよばれている。
その後1998年に、女性の腋からでる分泌物が月経周期に影響を与えることがわかった。
ある女性のアポクリン腺から出る分泌物を他の女性の鼻の下に塗り続けたところ、月経周期に変化が起きたというのである。
実験の風景を思い浮かべると笑ってしまうけど。

これはフェロモンによるものとされているが、まずはフェロモンの定義を説明しておこう。
フェロモンとは、「動物個体から抽出され、同種他固体に特異的な反応を引き起こす化学物質」のこと。
これは、そのフェロモンによって直接何らかの行動を起こさせるものと、ホルモンなどに影響を与えるものの2種類ある。
先ほど述べた寄宿舎効果では、ホルモンなどに影響を与えて月経周期をずらしたと考えられる。

俗に性衝動に影響を与える、一般的に使われる「フェロモン」という言葉が指すのは、前者の行動に直接影響するタイプのものであろう。
フェロモンと聞くと、つい艶っぽいものをイメージしてしまうが、ホルモンに影響するものまであるとなると、なんだか科学的な感じもする。


蜂とか馬とかのフェロモンは分かっているらしいけど、残念ながら人間のフェロモン物質が何だということは分かっていない。

椅子を並べて、そのなかのいくつかにフェロモンと考えられる物質を塗ったところ、その椅子に座る女性が多かった・・・という実験もあるらしいが、実験のやり方が偏っていて信用性が低いようだ。

いまのところ、人間の皮膚から取れるPDDという物質がヒトのフェロモンではないかといわれているようだが、まだこれが人間のフェロモンだというものは特定されていないらしい。

フェロモン入りの香水などというものが販売されていたりするが、まだ特定にいたっていない物質を混ぜている商品というのはなんだか怪しい話である。
加齢臭の元であるノニナールもフェロモンの一種ではないかと考えられているようだが、そうすると私も最近フェロモンを発するようになってきたと言えるが、このフェロモンでは確実に女性は寄ってこないことは、実験をしなくても実体験で分かっている。

母親の匂いをかぐと赤ちゃんは安心して眠ったりするが、これもフェロモンの影響なのだろうか。
いろんなフェロモンがあるだろうから、早くなにか特定されると面白いと思う。

| 服部達也 | 内科・病気 | 17:26 | comments(3) | - |
むずむず脚症候群の治療薬について

4年前に書いた「むずむず脚症候群」のページは、いまだに多くの人が読んでくれている。
ようやく病名の知名度(認知度)が上がり、自分のこの不思議な感覚は「むずむず脚症候群」だったのか、子どもが訴えていたのはこの症状だったんじゃないのか・・・ということを知る人が増えていることだろう。

当時は、まだ薬は治験中で、早く発売されないかねぇと思っていたが、実はもう保険適応になっている薬がある。
すっかりそのことを紹介し忘れていたので、簡単に書いておく。

その薬は、「ビシフロール」という名前で、ベーリンガーインハイム社が製造している。
ドーパミン作動薬という種類で、長年パーキンソン病の治療に使われていたものだ。
(*パーキンソン病の治療のときに使われるものより、ずっと少ない量を投与する。)

寝る2〜3時間前に飲むと、1週間程度で効果を感じ始めるようだ。
症状が80%くらい軽くなるという結果も出ている。

値段は、飲む量によって変わるが、1日100円〜250円くらいで、保険が利く。
副作用は、消化器症状(胃もたれとか、吐き気など)や傾眠(眠くなる)など。
詳しくは、主治医か薬剤師さんに確認しよう。

まずは、むずむず脚症候群という診断を受け、薬についての説明を聞いてから、量を正しく守って飲むようにしよう。

とはいえ、医者の中でもまだこの病気と治療薬について知らない人も多いから、なるべく治療経験の多い医者を探すことも大切だ。

| 服部達也 | 内科・病気 | 16:55 | comments(2) | - |
花粉症には、きちんとした薬物療法を

1月27日に環境省が発表した、今年のスギ・ヒノキの花粉飛散量(1月〜5月)は、昨年に比べて約2〜10倍にもなるらしい。
夏が暑かった影響だ。

地方によって差があるので、東京の場合を見てみよう。
東京都千代田区の場合、昨年に比べて532%UP↑
過去の平均と比べても、176%up↑
ちなみに名古屋の値を見てみると、昨年に比べ2392%という桁外れの数値が出ている。
全国で一番飛散量が多いと予想されているのは、茨城県水戸市で、東京の倍くらいの量だ。
なんというか、ご愁傷様である。

また、スギ花粉が多く飛び始めるのは、東京の場合、2月下旬頃からと予想されている。
もうすでに花粉症の症状が出ている人もいるが、ほんの序の口。
これからがピークだということである。


治療としては、まず、花粉に晒される量を減らすことである。
マスク、眼鏡などで防御するのはもちろん、家の中に持ち込まないため、出先から帰ったら玄関前でよく洋服をはたいたり、洗濯物を室外に干さないなどの工夫も必要だ。
花粉が舞うのを抑えるため、室内の湿度を高めに保つことも大切になる。

基本的なケアの後は、薬による治療だ。
最近は市販薬も質が良いものになってきているため、市販薬でも充分対応可能なことがある。
ただ、症状がやや重い人や、長年悩んでいる人、市販薬では抑えきれない人などは、病院で医者に正しい薬を処方してもらわなくてはならない。


9日の朝の特ダネというテレビで、花粉症の特集をしていた。
近年は幼い子どもも花粉症を発症することが多いということと、花粉症グッズについて放送していた。
最後のほうに、リポーターがフィルム状の薬を紹介し、水なしでも飲める便利なタイプの薬もあります、わたしも花粉症ですから、これを飲めば今日一日もちますね、花粉症で悩んでいる方はこういう便利な薬なんかもありますからね、などと言っていた。
それを聞いた中野美奈子アナは、「でも、薬を飲むと眠くなるからと、薬を飲まない人もいますし・・・」と困惑気味にコメント。
それを受けて小倉智昭氏は、「そういうのはね、1日3回飲む薬を1回にしてね、花粉症の時期だけじゃなくて1年中飲むといいんだよ。俺はそれでいい感じ」なんてことを言う。
そこでコーナーは終了・・・

相変わらず無責任な人たちである。
公共の電波を使って、人の健康に関わる重大な話を、しっかり調べもせずによくいい加減なことをいえたものだ。
花粉症の薬は眠くなるから飲みにくい?だったらそれを少なく飲んで、1年中飲めばいい??
あの人たちは、自分の発言がどれだけ影響力があるか、わかっていないようだ。
まるっきり嘘なので、あれを見た人は忘れてほしい。


まず、花粉症の薬というと、眠くなってだるくなるという印象がある。
抗ヒスタミン薬は、アレルギーの薬として昔からよく使われているが、たしかに眠くなる。
これは、成分が脳のブロック機能(血液脳関門)を通過して影響を与えてしまうからである。
そこで、関所をほとんど通過しない抗ヒスタミン薬がつくられ、第2世代抗ヒスタミン薬として発売されている。
たとえば、アレグラとかタリオンとかザイザルという薬がそれにあたる。
眠くなる人は、ごくごくわずか。

しかも、眠くなるならないというのは、薬の強さとは関係ないことが分かっている。
よく効く薬は眠くなる、という間違った認識が広まっているが、これは大間違い
なのだ。
眠くならない薬でも、非常によく効く薬はある。
医者でも間違って認識している人がいるので要注意だ。

また、小倉氏のいったことはめちゃくちゃで、花粉症だけならばその時期の前後にだけ薬を飲めばいい。
関係ないときに薬を飲んでも、百害あって一利なし、だ。
少し早目から飲んでいたほうがいい薬もあるので、医者や薬剤師に早めに相談したほうがいい。

花粉症の薬は眠くなるとか、1年中飲めばちょうどいいなどという適当な発言をし、適切な治療の機会を奪うことは許されない。


花粉症の治療にはきちんとしたガイドラインがあり、それをみれば、花粉症に詳しくない医師でも、症状の程度によって薬を使い分けていくことができるようになっている。
よく効くからと、漫然とステロイドを処方し続ける医者もいるが、花粉症との付き合いは長きに渡るので、副作用の点から考えても患者の利益を追求しているとは思えない。
そういう医者には、ぜひガイドラインを読んでもらいたいと思う。

まずは、医療機関で医者に見てもらい、できれば血液検査をして何にアレルギーを持っているのかを調べ、ガイドラインに沿って適切な治療を受けることが大切なのだ(人それぞれ違う反応だから、ガイドラインがすべてではない)。
市販薬のなかには、使い方によって副反応が出て、鼻詰まりを起こしやすくするものもあったりするので、できれば医者に見てもらうことが好ましい。
花粉症に詳しい医者であれば、言うことはない。


私自身も花粉症に悩んでいたが、タリオンやザイザルに出会い、かなり人生が変わった。
みなさんも、ぜひ医療機関で正しい花粉症治療を受け、これからの時期を一緒に乗り越えよう。

| 服部達也 | 内科・病気 | 16:44 | comments(16) | - |
筋肉注射のそのあとは

昔は、風邪を引いて病院に行くと「じゃあ注射を一本打っておこうかね」なんていわれ、お尻をぺろっとまくりだされ、筋肉注射をぷすっと刺されたものだ。
何の注射をされていたかわかっている人は少ないかもしれないが、カナマイシンなどの抗生物質を打っていることが多い。
風邪のときは注射を一本打ってもらえばそれでけろっと治った、なんていう人も多いが、風邪のときに抗生物質一本打っただけで治るなんてことはありえないのは、このブログを読んでくれている人はとっくに分かっているだろう。

信じるものは救われる。
いわしの頭も信心から。

いやいや、言い過ぎか。
とにかく、風邪の時には筋肉注射を一本打ってもらうと早く治る、と思い込んでいる患者さんが多いのには驚かされる。

ある地方の病院で、普通の内科外来をしていたときのこと。
風邪を引いて診察を受けに来る人の多くが、「あら、抗生物質は出してくれないのかい?」「先生、注射は打ってくれんのかいね?あれ打つと一発で風邪なんて吹き飛んじゃうんだけどなぁ」などと言ってくる。
風邪には抗生物質は効かないし、あなたの病気は抗生物質を必要としませんよ、打てばたちまち風邪がよくなる注射なんてありませんよと丁寧に説明するのだが、頑として聞き入れてくれない。
いつもの先生は必ず注射してくれた、処方してくれた抗生物質を飲むとすっと熱が下がるんだ。
あんたみたいな若造に、何が分かる。前の先生はこの道30年の大先生だぞ・・・
よく怒られたものである。

まあそれだけ前の先生に対する信頼感があったわけで、効きもしない薬で病気を治してしまうとは、たいした神通力である。
私は見た目に貫禄がなく、若造と見下されることも少なくなかったので、素直にうらやましいと思ったほどである。


ところで、筋肉注射をした後は「しっかり揉むように」と言われるね。
予防注射などの皮下注射のときは「揉まない」、採血や点滴などの静脈注射も「揉まない」。
ところが、筋肉注射だけは、打ったあとの薬剤が筋肉内にとどまって「しこり」ができないように、しっかり揉みこまなければならない、とされていた。
私も1年くらい前までは、そう思っていた。
看護師さんによっては、なんかものすごい形相で、机ががたがた揺れるくらいこれでもかと揉みまくる人もいたくらいだ。

ところが、最近の流れでは「筋肉注射をした後は揉まないほうがいい」というふうに変わってきているのである。
ハートリークリニックでも、特別な場合を除いて、ほとんど揉まない。
ずっと通ってきている患者さんは、あら、最近注射打ったあとに揉まなくなったな・・・?と思ってるかもしれないが、筋肉注射のあとは揉まないように変えたのだ。

注射をした後にしっかり揉みこむと、筋肉や血管が傷ついて壊れてしまう危険があり、揉まないほうがよい。
しかも、揉まなかったことによってしこりができる可能性はほとんどない、ということが認知されてきたからだ。
薬によっては、注射したあとに揉まなければならないものもあるが、ほとんどの薬は揉む必要がないのである。

注射をする前のアルコール消毒とか、筋肉注射のあとの揉みこみとか、もうそんなの必要ないよとわかっているものでも、慣例で続けられているものがある。
間違った習慣は、変えていく必要があるのではないだろうか。


それと、筋肉注射をするときに、皮膚をつまみながら打つ人(看護師)と、皮膚を押さえて打つ人がいる。
これは、教科書によってやり方が違っていて、どちらが正しいというのは決まっていない(みたい)。
皮膚を張るようにして打ったほうが、正しく筋肉に刺せるし、針を刺すときの痛みもやや少ない。
なので、ハートリークリニックでは、皮膚を押さえて打つように統一している。

こういう、揉む揉まない、筋肉をつまむ抑える、などという軽視されがちなことでも、結構奥が深くて馬鹿にできないものなのだ。

| 服部達也 | 内科・病気 | 15:33 | comments(22) | - |
片頭痛

この間、テレビ東京で頭痛について特集をしていた。
主治医にしたい診療所というような名前の番組で、東京女子医大脳神経センター頭痛外来の講師である、清水俊彦医師が解説していた。
清水先生が、同じころ発売された医事新報という医学雑誌に、片頭痛のことを書いていたので紹介する。

片頭痛というのは、片頭痛の体質を持っているひとがある特定の外的刺激をうけたとき、脳のある部分の興奮性が増し、それが一定以上になると頭痛を感じるもの、らしい。
たとえば、光、音、においなどで脳が興奮して痛みを感じたり、気温や気圧の変化、女性ホルモンの変動によっても痛みを生じてしまうのだ。

片頭痛においては、脳の血管が拡張したとき、その血管周囲にある三叉神経の終末を刺激して痛みを感じる。
普通の痛み止めは、この三叉神経からくる痛みを軽減するものだが、脳血管の拡張を押さえない限り、根本的な解決とはならない。
鍋を火にかけて吹きこぼれているときに、吹きこぼれているぶんだけをすくっても効果は少なく、火を弱めないとならないのと同じだ。

脳血管内にある血小板からセロトニンが異常に放出され、セロトニンが枯渇すると、それに反応して脳血管が拡張するらしい。
それが片頭痛が発症するもととなる。
それを抑えるのが、トリプタン製剤という薬だ。

まあ、難しい話でよく分からないところもあるが、要は、片頭痛というのは普通の頭痛と違い、ちゃんとそれようの治療をしないと解決にはならない、ということだ。


で、片頭痛が起きても、普通の痛み止めや市販薬で一時的に痛みが軽減されるので、常用する人がいる。
すぐ頭が痛くなるから痛み止めが手放せない、っていうひとは周りにもいるだろう。

本来、片頭痛の治療をしなくてはならないのに痛み止めでごまかしていると、頭痛の型がくずれてきて複雑になったり、脳血管の興奮が収まらず、痛みが頻繁に起こったりするようになる。
痛み止めの量も増えたりする。


医療機関を頭痛で受診する患者さんの多くが、肩こりなどからくる「筋緊張性頭痛」だといわれてきたが、清水医師によると、筋緊張性頭痛と診断されている患者さんの多くが、じつは片頭痛をこじらせたものであるというのだ。
まずは患者さんから問診をしっかりおこない、そこに実は片頭痛が隠れているのではないか、見つけてあげる必要がある。

*参考までに、片頭痛の診断基準へのリンクを貼っておくので、気になる人はチェックしてもらいたい。
→片頭痛の診断基準はこちら

あまりにも片頭痛を放置し、脳の興奮状態が続いてしまっている人は、興奮状態を鎮めるために「てんかん」の薬も使ったりするらしい。


ハートリークリニックにくる患者さんの中にも、「わたし、片頭痛持ちでよく痛み止め飲んでるんです」という人が多いが、そのほとんどが普通の痛み止めである。
僕自身も片頭痛持ちで、トリプタン製剤である「ゾーミック」を時々使うが、半日以上我慢してから使うことが多い。

まずは、頭痛が片頭痛なのかどうか、だとすれば治療は正しくおこなわれているのか。
なるべく専門医を受診し、正しい薬を適切に使うことが必要ということになる。


頭痛ってのは、頭痛持ちの人にはあまりにも日常で、すぐに普通の痛み止めを飲んでしまうことが多いが、もしかしたらその頭痛は、片頭痛なのかもしれない。
一度しっかり考えてみるべきだ。

| 服部達也 | 内科・病気 | 16:38 | comments(15) | - |
水分摂取の目安について

暑い日が続き、熱中症で倒れる人も多いようだ。
暑さ対策の中で、水分補給というのは結構重要なファクターとなる。

通常、成人でなおかつ病気を患っていない人の場合は、喉が渇いたときに水分を摂る、という程度で十分のようだ。
喉が渇いていないのに、あえて水分を摂取していく必要はないということである。

もちろん、子どもやお年寄りの場合、もしくは何かしらの病気を患っている場合は、喉の渇きを自覚しにくかったり、そばにいる人が異常に気づいてからでは遅い場合もあるので、こまめに水分補給したほうがいい。


一般的に、「夜寝る前にコップ一杯の水を飲んでおくと、血液がどろどろになるのを避けられて脳梗塞になるのを防げる」、「入浴前には水分を補給しておくと、血管が詰まるのが防げる」などといわれることが多い。
メディアでも、盛んに言われていることだ。
しかし、北上中央病院泌尿器科の菅谷公男先生によると、水分補給と血液さらさらには何の関係もないということだ。
だから、わざわざ寝る前に水分を摂ることには意味がないということらしい。


では、適切な水分摂取量はどれくらいがいいのかというと、これも菅谷先生が言うには、尿の量を元に推測すべし、ということだ。

通常、一日の尿量は、「体重(kg)×20〜30ml」を目安にするといいらしい。
*体重が重くても、一日の量が2リットル以内におさまるようにする。

実際には、計量カップで測ってみないとこんなの分からないが、これくらいの尿が出ていれば、あえて水分を多くとる必要はない。


暑いし汗もかくからと、やたら水分をがぶがぶ摂る人がいるが、尿がたくさん出ていて脱水ではないのであれば、勢いよく飲んでしまうのではなくて、小分けにして時間を空けて飲んだほうがいいだろう。

菅谷先生いわく、「空腹感がないのに食べることと、口渇感がないのに飲むことは生理的ではない」。
たしかに、お腹がすいていなければ物を食べないのに、喉が渇いていなくても水分を摂るっていうのは不自然だ。
ただし、精神障害や意識障害があると、喉の渇きを正しく感じないことがあるので、まあ参考程度に。


以上、医事新報からでした。

| 服部達也 | 内科・病気 | 16:51 | comments(6) | - |
サバでアレルギーを起こす・・・?

もう2年も前に書いた内容ですが、結構患者さんから聞かれることが多いので、ちょっと手直ししてまた載せます。
書くネタがなくなったとか、手抜きをしているとか、まったくそういうことではなくて、大事なことだから2回言います・・・ということです。


さて、

鯖(サバ)、いわし、サンマなどの青魚を食べてあたった、アレルギーを起こした、あるいは周りでそういう人がいる・・・というかたは多いでしょう。
なんで魚を食べるとあたるのか。

鯖(とか)で蕁麻疹とかが出たことがある人は、自分はサバにアレルギーがあるから食べないようにしている、と思っているでしょう。
で、なんかの機会に病院で鯖(サバ)に対するアレルギーを調べても、アレルギーはないよ〜という検査結果が出る。
おかしいな、もう治ったのかな、体調によって変わるのかなと思うでしょう。


実は、魚にあたる事のほとんどが「ヒスタミン中毒」なのです。

マグロイワシさんまなどは、ヒスチジンという物質を多く含みます。
これらの魚を室温で放置すると、増殖した細菌の働きによって、魚の筋肉中にあるヒスチジンがヒスタミンに変わります。
それが蓄積され、それを食べると、数時間以内にヒスタミン中毒による症状を起こすのです。

ヒスタミン中毒の症状は、アレルギー反応と同じ症状です(アレルギー反応ってのは、基本的にヒスタミンによる反応であるから)。
ただ、治療は抗アレルギー剤であるとか、ステロイドとか、エピネフィリンなどという、アレルギー治療の基本薬を使っても効果が無く、「抗ヒスタミン薬」を使うしかないのです
もちろん点滴で薄めるのも効果があります。
抗ヒスタミン薬というのは普通のアレルギーの治療でも使われますから、ヒスタミン中毒で病院にかかり、アレルギーと勘違いされて抗ヒスタミン薬を処方され、うまいことそれで治ってしまうことが多く、
なおさら自分はサバでアレルギーを起こすんだ・・・という勘違いにつながります。


で、ヒスタミン中毒の予防は、ヒスチジンを多く含むこれらの魚を長時間室温で置かないこと。
これに限ります。
4時間も放置すると、相当ヒスタミンがたまるらしいのです。
とくに青魚で赤身の魚には多く含まれるから、鯖にあたることが多いのでしょう。

ここで注意すべきは、ヒスタミンは加熱してもなくならないこと、です。
室温で放置してヒスタミンがたまった魚は、焼いても中毒を起こします。
やはり新鮮なうちに冷蔵したり、酢でしめたりすることが大事になります。


いままで、鯖は刺身で食べるのが難しく、酢で締めることが多いのはなんでだろう、
青魚で蕁麻疹を起こす人が多いのはなんでだろうと思ってるひとも多かったでしょうが、こういう理由だったんですね。

もちろん、普通にアレルギーを持っている人もいるので、新鮮なやつなら大丈夫!というわけでもありません。

ご理解いただけたでしょうか。

| 服部達也 | 内科・病気 | 19:15 | comments(4) | - |
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