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re-Heart Note

リハート、それは心癒す日々。

美容内科医 服部達也 ブログ
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にわか警察医ファイル 5ページ目
さて、数々の難事件を解決に導いた、田舎の町医者。
久々の出動である(といっても、もちろんフィクションだ) 。

back迷警察医の活躍を知らない人は、最初から読むのだ!


寒い時期は、変死体が増える。
町医者として働いているぼくのもとにも、自然、死体検案の依頼が増える。

その日は、病院から車で15分ほどの、ひっそりとした住宅地での検案。
池のある広い庭があり、そこの家でおじいちゃんが亡くなっているのを、連絡がつかなくなって心配で見に来た家族が発見したらしい。
死後数日は経っている模様と。

推理小説だと、事件現場に初めて踏み込むような新人刑事が、部屋に入った途端、強烈な腐臭と虫がわいている悲惨な光景に、嘔吐する。
そしてベテラン刑事に「現場を汚すな!外で吐け!!」と、一蹴されるのである。

胴体しか残っていない水死体にもおびえることの無かった私だが、さすがにそれに耐えられるのかと、風邪を装ってマスクをしてから行ったのである。
あいかわらず、推理小説に踊らされる気弱な私。
もちろん、パトカーで現場まで送ってくれるのだが、咳き込んでみたり、おでこに手を当ててみたり(熱、出てない出てない)、風邪を完璧に装うのは忘れない。


現地に到着し、警察官に挨拶され、現場に入る。
推理小説に脳みそをやられちゃっている私は、さあ、死体の腐敗の程度から死後何日くらい経っているか見極めなくちゃいかんな。
たしか・・・わいている蛆虫をみて、成虫(ハエ)になるまでの日数が3日だから、この状態だと死後○日だと判断してた小説があったな。。
マスクはしっかりつけているな。よし、いざ。
と気合を入れたのだが・・・

いやー、寒い時って、保存がきくんだね。
なーんにも、においもせず、きれいなまんまですよ。

ほっとしている自分を強く感じつつ、(臭いで嘔吐せず、甘ちゃんだということがばれなかった)、これは困ったことになった。
蛆虫の成長具合から、死後どれくらい経ってるか判断できないぢゃないか!!

こうなりゃ死後硬直だ、と思い関節を曲げてみるが、そんなもん大体24時間くらいで解けてしまうものである。
うん、1日以上は経ってるね。

あとは、死斑の具合か。
死亡すると、血液は流れず、その重みで下に溜まってくる。
それが死斑というもので、その出具合で死後どれくらい経っているのかを見るのだ。

当然、単なる町医者で、監察医でも法医学者でもない私に、そんなことが分かろうはずも無い。
死斑については、上野先生の「死体は語る」で読んだことがあるくらいだ。
おそらく僕の知識は、名探偵コナン君にも相当劣る。

さてどうしようかと悩んでいたら(検案書には、死亡推定時刻を書かねばならない)、警察官からの一言。
先生、郵便受けに2日前の朝刊がささってるから。その前の日に亡くなったってことで、いいよね?電気がついていたから、夜ってことで

(゜ロ゜) ひゃー。
そんなことでいいのね。
いつもながら、先走りすぎる私。おはずかしい。

その後、いつものように髄液を採取させられ、心臓麻痺ということになったのでした。

案ずるより、産むが易し。
検案するより、警察官に聞くが易し。
| 服部達也 | へっぽこ警察医(気楽な読み物系) | 15:06 | comments(5) | - |
にわか警察医ファイル 4ページ目
つづいて、次の事件を思い出してみよう。
しばしジジイの思い出話に付き合っていただきたい。

前回(back読み直したい人はこちら)、水死体について書いた。
今回はもっと衝撃的なご遺体の話。
ご気分を悪くされる方がいるかもしれないので、いやなかたは読まないでいただきたい

検案に呼ばれるときは、たいていご遺体の自宅に行く。
パトカーが病院に迎えに来てくれて、それに乗っていくのだが、なんだかちょっと気恥ずかしい。
ただ時々、警察署に呼ばれるときがある。
それは、ご遺体の状態があまり良くないときや、身元が不明な場合などだ。
たいていひどい状態であるので、警察署に呼ばれるときはちょっと緊張する。

その日も警察署に呼ばれた。
最初に話してしまうが、焼け焦げた車があり、その中から遺体が見つかったとのこと。
どきどきであろう。

いざご遺体がある部屋に入ってみると、とても焦げ臭く、すすの匂いが充満している。
台の上を見ると、ご遺体が乗っているのだが・・・

なんと、車が焼け焦げるほどの火の手のおかげで、ご遺体は丸っきり焼けてしまっている。
手足はなくなり、頭部もほとんどない。
全体的にちっちゃくなっていて、幼稚園児くらいの体になっている(胴体だけだし)

警察官いわく、
「身元が分からないので、血液型を知りたい。血液を採取して下さい」

いや、無理っしょー。
全て炭化していて、血液なんか全て蒸発してると思うよ。

と思い躊躇していると、心臓は残っているので、そこから血液が採れるはずだと。
いわれるままに苦労して2ccくらい液体は採れたけど、結局その血液では血液型は分からず(当たり前)、車から何とか身元を割り出したようだ。


今回は見た目で事件性の有無など判別できないことが分かったので(そもそも警察が判断すること。私の出る幕なんぞ最初からない)、前のめりになる悪癖は出ずに済んだ。

救急でいろんなやけどの患者さんを診たが、さすがにあそこまで焼けてしまっているのは、あの時以外に経験がない。

結局、このときのすすの匂いは体に染み付き、夜お風呂に入っても消えることはなかった。


| 服部達也 | へっぽこ警察医(気楽な読み物系) | 17:56 | comments(0) | - |
にわか警察医ファイル 3ページ目
さて、2つの事件をゆうゆう解決に導いた、片田舎に住む町医者の私。
  next前の事件を振り返る   
何の訓練(教育)もされずに死体検案を任されるという、現行のルールにくびをかしげながら、そういう制度なんだからやるしかないとがんばる私。
小説好きが災いし、勝手に燃やした正義感で、むだにエネルギーを消費している、そんな警察医時代のお話。

さて、自分の中で勝手に事件を作り上げ、犯人の手がかりを捜そうとご遺体をみる私ですが、今回の事件はというと・・・

ぼくが働いていたのは、海の近くの町。
ときどき、水死体があがってくる。
それを検案するんだけど、日にちが経っていると結構大変なことに・・・

水死体をみて事故か他殺かを判断するためには、まず「生活反応」というのをみる。
これは、生きているときに水につかると水を飲み込んでしまうから、肺胞に雑多なものが入る。
海水であったり、プランクトンであったり。
(海には生息しないプランクトンが見つかったりして、他の場所で殺されてから海に捨てられたということが分かった。という小説もあったな)

死んでから(殺されてから)海に投げ込まれた場合などは、この生活反応がない。

もちろん、頭を鈍器で殴られたりしていないか、観察が必要である。


さて、ある日、水死体があがったので検案してくれという依頼があった。
ぼくは生活反応のことを頭において、さっそく警察署に向かった(ご遺体は警察署に移されていた)

で、どらどら、生活反応を見るには解剖して肺をとりだし、法医学の先生に見てもらわんとなぁ、とご遺体に近づくと・・・

ひゃ〜。
ご遺体は、右肩から左の腰骨まですっぱり切断され、それより上側がない。
左足も付け根からなくなっている。
当然、臓器もひとつ残らずきれいさっぱりなくなってる。

おぉ。
生活反応どころの話じゃねぇ。

警察の方はのんきに、「身元が判別できるようなもの、ありますかね」とか聞いてくる。
犯人(まだ言ってる)の手がかりを見つけようとご遺体を検めると、
右のアバラの辺りに約1センチくらいの傷が2つ見えた。

くさっても医者。
すぐ分かったね。
これは、内視鏡を使って胆嚢を摘出した痕。

ま、それが決め手となって、身元が判明し、数十キロ離れた海岸で遭難したダイバーさんだということも後に分かる。
ご家族もわざわざ挨拶に来てくれたし、一件落着なのであった。

ただ、事故か他殺か、判断しようがなかったのが気掛かりである。


ちなみに、水死体はかなり見るも無残な状態にあることが多く、今回すっぱり上半身がなくなっていたのも、海流にもまれ、岩肌で削れたからだという。
普通の人が見たらかなりびびってしまう状態であろうが、さいわい僕はそういうことに鈍感なたちであるのか、冷静に状況を判断できたのである。

父がむかし水死体を検案したとき、ご遺体にタコがへばりついていて食していたらしく、それ以来父はタコを食べられなくなってしまったことは、あまりにも有名である。
| 服部達也 | へっぽこ警察医(気楽な読み物系) | 16:09 | comments(5) | - |
にわか警察医ファイル 2ページ目
何の知識もない(監察の)内科医が、警察医として変死検案をさせられる問題点をテレビで指摘されていたのを受け、昔を思い出しながら書いています。

(前を読んでいない人は、ぜひまず序章から読んでみてください)


さて、足首に傷もなく、スパイに暗殺されてもいないことが分かり、自然死という検案書を書かせていただいてから数週間後。
今度は、林の中で首を吊って亡くなっているところを発見された男性の検案に呼ばれた。

自殺であろうと警察が判断し、その男性の自室にご遺体は移されていた。
そこで死亡診断および、死体の検案をするわけであるが、町の家庭医である僕には当然監察の知識はない。
直腸温や硬直の程度から死亡推定時刻を知るすべもなく、警察の方の言うとおりに首を振る。
(直腸温から死亡時刻を推定するのには、グラフを用いるので、ある程度分かる)

警察官いわく。
じゃあ、首吊り自殺ってことで良いですね。
死亡時刻は大体〜〜時でよろしいですね。

ちょっと待った〜。
あんたたち犯人(誰?)にだまされていないか?
と、ご遺体を見直す。(といっても、警察の方の目も気になるので、遠くからながめるだけ)

首を絞められたときに、首に巻きつけられたものを剥そうと首をかきむしるので、首に爪のあとが残る。
これを「吉川線」といい、これがあると他殺の疑いが強くなる。

林の中で首を吊ったご遺体をよく観察すると、足の爪に土が付着している。
これは、他の場所で首を絞められ、自殺に見せかけるため林の木につるす。
その運ぶ際に足を地面に引きずってしまい、爪に土が着いてしまっているのだ!!

吉川線と足の土。
これを見逃しては、犯人の思う壺である(前回同様意味不明)

とはいっても、遠くからしか眺められなかったので、よく分からなかった。
警察の人たち見逃したりしないだろうな。
保険金とかちゃんと調べるんだろうね。
などと、推理小説を読みすぎな私は、無駄な不安を抱きつつ死体検案書に「自殺」と書くのであった。


次項有前の事件も読んでみる

蛇足:なお、プライバシーの問題があり、細かい話が出来ないこと。
  :死者を冒涜するつもりもないことをご理解下さい。
| 服部達也 | へっぽこ警察医(気楽な読み物系) | 14:30 | comments(1) | - |
にわか警察医ファイル 1ページ目
さて、序章で書いたように、警察が事件性ないと判断すると、警察医が呼ばれ、死体検案書を書くのである。
警察医とは、警察が地元の医者に依頼して成り立つもので、当然(?)、無報酬である。

ぼくは、茨城にいた数年間、警察医をやっていたことがある。(地元警察署が病院の斜め前!)
無報酬なうえ、勤務時間中に、変死体の確認をしにいかなくてはならないのである。
地元のほかの警察医に断われまくり、たらいまわしになるケースもあるみたい。

医者4年目のころかなぁ、最初に呼び出しがかかったのは。

小説とか、ドラマとかの知識しかないでしょ。
変死体、とか聞くと、そういうのを想像してしまう。

推理小説とかでさ。
傘の先に細〜い針を仕込んでいて、道ですれ違うときに、すっと刺す。
遅効性の毒が仕込んであるから、時間が経ってぱたっと息絶える。
警察が検死をするのだけど、細い針で、通りすがりに足首を刺しているから気付かず、まんまと殺人者の思惑通り。警察してやられる…
後で名探偵が疑問に感じ、遺体を改め、足首の傷に気付き事件は解決に向かう。

みたいなやつ!!

そういうのをさ、見逃しては思うツボだから(誰の??)、よーし、しっかり見ちゃるばいと、気合を入れて現場に行ったのさ。

ところが。
現場は警察の人が仕切っているし、そもそも警察医が呼ばれる時点で、事件性は無いと判断されているわけで。
若造の医者に現場で発言する権利などないわけで。。

死後硬直の程度から、死亡推定時刻なんかを聞かれたらどうしよう…などという心配も杞憂に終わり。
「関節の硬さからいって、だいたい前日の夜中2時から5時くらいの間ってこと(お亡くなりになったのが)でいいですよね」
「・・・それでお願いします」
なちゃけない。


結局、頚椎穿刺で髄液を採らされ、クモ膜下出血じゃないことを確認させられ、死体検案書を書かされてしょんぼり帰るのでした。。
足首も確認させてもらえずに。。。


next続く
back前のページを読む

蛇足:なお、プライバシーの問題があり、細かい話が出来ないこと。
  :死者を冒涜するつもりはないことをご理解下さい。
| 服部達也 | へっぽこ警察医(気楽な読み物系) | 14:08 | comments(7) | - |
にわか警察医ファイル 序章
昨日の朝、「とくダネ!」を見ていたら、異常死(殺人)が見逃されているかもしれない、みたいな特集をやっていた。
数字はすっかり忘れてしまったけど、年間20000人近い異常死体があるのに、原因を究明できたのは、そのうち10数%のみであると。
実際に火葬されてから殺人事件であったことが分かった例も、いくつかあるらしい。

で、その原因として、監察医という専門家の不足。
システム上の問題。
を挙げていた。


,匹海で誰かの死体が見つかる。

警察が駆けつける

事件性がありそうか
   ありそう→司法解剖に回す
   なさそう→警察医を呼ぶ

という流れなわけだが、一番の問題は、のところ。
事件性がありそうかなさそうかは、警察官が判断することになっている(階級はそれなりにある)。
事件性があって、司法解剖に回されれば、それでよし。

家の中でお年寄りがなくなっているとして、警察官が事件性無しと判断する。
警察医を呼ぶ。
死体検案書を書いてもらって終了。
この流れの中で、警察医というのは、民間の、普通の医者が警察に依頼されるもの。
専門的な知識などまったくない。
であるから、警察が事件性無しと判断してしまえば、そのまま病死として処理されてしまうのである。
心筋梗塞、などという形で。

ここが問題なのであろうということが、番組の流れで、結論が何だったのかは良く分からなかった。

next次のページを読むのだ
| 服部達也 | へっぽこ警察医(気楽な読み物系) | 13:57 | comments(0) | - |
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