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リハート、それは心癒す日々。

美容内科医 服部達也 ブログ
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肝班に効くただひとつの・・・?
トランシーノというものが、薬局で売られている。
テレビCMでもさかんに宣伝しているので、飲んだことがある人も多いかもしれない。
肝班を薄くする医薬品とのことで、トラネキサム酸とアスコルビンが主成分だ。

そのテレビCMを見ていて、気になるフレーズがあるでしょ。

「肝班に効く、ただひとつの薬」

ハートリークリニック新宿に来ている患者さんも、他に通っている患者さんも、肝班に対して飲み薬を出されている人は多くいるはず。
トランシーノが唯一肝班に効く薬だとしたら、わたしがクリニックで肝班にいいと処方されているこの薬は、何?

ハートリークリニック新宿で患者さんの肝班に使う薬は、リカバリンとシナールとグルタイド。
リカバリンとは、トラネキサム酸製剤で、シナールとはアスコルビン酸(ビタミンCね)のこと。
グルタイドはグルタサイオン(グルタチオン)。
トラネキサム酸とアスコルビン酸は、トランシーノの有効主成分と同じだ。


トランシーノが肝班に効くというのなら、クリニックで出される薬も、肝班に効くはず(主成分が一緒だからね)。
それなのに、トランシーノが唯一肝班に効く薬です、と言い張るには理由がある。
ただたんに驕っていたり、嘘ついているわけではない。

薬(薬の定義はこの際置いとく)が、ある疾患・症状に「効く」というためには、その科学的データを提出して、厚生労働省(だよね?)に認めてもらわなければならない。
国に認めてもらうには、相当手間がかかるし、莫大なお金がかかる。
それがクリアされ、厚生労働省がその効果効能を謳ってもいいよと認めなければ、公に主張することはできないのだ。
いかに効果があっても。

トランシーノは、それをクリアしたからこそ、肝班に効くと宣伝できる。


対して、リカバリン(トラネキサム酸)とシナールは、もともと違う目的で使われている。
リカバリンは止血剤だし、シナールはビタミン不足時の補給や壊血病などの治療薬。
それで保険内処方が認められている薬。
実際には、抗プラスミン効果を持つトラネキサム酸はシミに効くことが分かっていて、自由診療ではあったが、シミや肝班の治療に長く使われてきた。
シナールを併用すると効果が上がることも、知られている。
本来であれば、皮膚科領域でこのような使われ方をしているわけだから、保険診療を認めてもらうべく、シミや肝班にも使えるよう、国に承認してもらいたい。
しかし、国にその効果効能を認めさせるには、莫大な金額がかかる。
いくら実際に効果があることが分かっていても、国に承認されなければ、保険で扱うことができない。
国に承認されなければ、おおやけに「効く」ということができないのだ。

それをがんばって、お金もかけて国に認めさせたのが唯一トランシーノというだけで、実際には同じ成分のトラネキサム酸とシナールも、肝班に効くのである。
医療機関で出されるこれらの薬が、「肝班に効く」と謳えないことを利用した、うまいコピーなのである。


さて、トランシーノと成分量を比べてみると、
トランシーノ中(1日6粒で)
トラネキサム酸 750mg  アスコルビン酸 300mg
ハートリークリニック新宿の薬だと(患者さんによって違うので、平均)
トラネキサム酸 1000mg アスコルビン酸 3000mg

ということで、クリニックで出される薬の方が、有効成分は多い。

値段は、
トランシーノ 1ヶ月分 5880円
リカバリン+シナール 1ヶ月分 4200円(ハートリークリニック新宿の場合)

有効成分が多くて、それでいて料金も安い。
ただ、トランシーノは薬局で簡単に買えるが、リカバリンとシナールは医療機関でしか手に入らない。
これは利便性に大きな違いがあるか。。

とりあえず、「肝班に効くただひとつの薬」と言っているのはこういう理由で、医療機関でトラネキサム酸やアスコルビン酸を出してもらっているのなら、わざわざ切り替える必要は無いんだね。
分かりにくい?
| 服部達也 | 美容 | 15:12 | comments(6) | - |
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コメント
分かりやすい。です。多謝。
| しのっぴ | 2008/06/27 6:26 PM |
管理者の承認待ちコメントです。
| - | 2008/06/29 3:34 AM |
服部先生
こんにちは。

このブログ、一冊の本にしたら絶対に買うし、
友達にも勧めようと思うくらい面白いです。
特に、警察医のお話は圧巻です。
文章もお上手ですね。
ぐいぐい読ませてくれますし。

ところで、
私は人前で喋る仕事をしており、
扁桃腺に炎症を起こすことが多く、
耳鼻科でトランサミン 250mgという薬を
かなり前から処方されています。

最近、薬局でこの薬がトランシーノと同じ成分で
肝斑にも効くことや、
薬剤師さんもシミ対策に飲んでいるということを
聞きました。

私も肝班なのかただのシミなのか?なものが
あるんです。
左右対称ではなく(左右にはありますが、形や大きさが
違います)、
肌の調子で目立つ時もありますが、そうでなかったりもする
し、化粧をすれば分からないのでトランシーノは検討中でした。

しかし、トランサミンがトランシーノと同じなら一石二鳥。
一か月飲んでも2千円程度で咽も治るので、
これを続けようと思いますが、いかがなものでしょうか?

勤め先が新宿経由なので、
今度一度先生の病院へ参りたい所存です。
手始めに、石鹸やサプリなどの簡単なものから購入して
一歩ずつ先へ進んでみたいです。

美容外科というものには未だ抵抗がありますが、
美容内科であれば門をたたける気がします。

先生のブログを拝読するうちに、
「私も行ってみたい」と思うようになりました。
| MT | 2011/05/25 5:56 PM |
>MTさん
こんにちは。
返事が遅くなってすみませんでした。
警察医の話は、いずれ本にしようと思って書いたのですが、不謹慎と思われたら嫌だなぁということでストップしています。
また再開する予定ではいますが・・・

トラネキサム酸、リカバリン、トランサミンという名前の薬(成分は一緒)は、炎症を抑えたり止血剤として使われます。
一方、皮膚科では肝斑の治療薬として使います(内科医はそういう使い方を知らないことがほとんど)。
風邪のときにトランサミンを処方したら、「なんだか肌が綺麗になった気がするんですけど」といわれることがたまにあります。

目的と違う効果を期待するのはお勧めしませんが、トランサミンは喉の炎症止めにも肝斑にも効果が期待できることは確かです。
ハートリークリニックだと、トラネキサム酸は1か月分で1800円です。
ぜひ一度いらしてくださいね。
| 服部 | 2011/05/31 4:55 PM |
私も最近肝斑が気になり始めたので興味深く読ませて頂きました。
あと思春期の頃から両目のすぐ下に小さなブツブツがたくさんあります。
汗管腫なのかはいりゅうしゅなのかわかりませんが化粧品や日焼け止めで悪化することはあるのでしょうか?毛穴をふさいだらよくないんじゃないかと心配になって多機能ゲルと粉おしろいが中心のメイクです。唇の上もうっすら黒くなってて口紅のせいかと気になり塗るのもためらいます。本当はノーメイクが一番いいのかも知れませんが‥点顔は悩みが尽きませんね。

| sui | 2012/09/18 8:43 AM |
>suiさん
こんにちは、コメントありがとうございます。
それと、返事が遅れてすみませんでした。夏休みを取っていたもので・・・

汗管腫、でしょうかね。
たぶん。
汗管腫はエクリン腺とか真皮内汗管の増殖による良性腫瘍ということですから、メイクなどはあまり関係ないと思います。
炭酸ガスレーザーなどで治療している医療機関もありますから、問い合わせてみるといいかもしれません。

唇の上の黒ずみは接触性皮膚炎かもしれませんね。
メイクとか食べ物とかでごく弱いかぶれが続いているとそうなることがあります。
皮膚科で相談してみるといいかもしれません。

治療するかどうかはともかく、原因、病名が分かると気持ちが落ち着くと思います。
| 服部 | 2012/09/24 4:31 PM |
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