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リハート、それは心癒す日々。

美容内科医 服部達也 ブログ
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見えていない
(*以前にも書いた内容だが、少し修正を加えて)


では、大丈夫だとは思いますが心配だからここも検査しておきましょうね。
心配だから、もうちょっとこの薬を飲んでいてください。

医者にかかってこのようなことを言われことがない人は、ほとんどいないだろう。
よく使われる言葉である。
でも、大丈夫なら余計な検査はしないでほしいし、あんたが心配だからって私に薬を飲ませるんじゃない。
そう思うでしょ?
本当に必要なものであるのなら、もちろん検査を受けるし薬も飲む。
しかし、必要でないものを「なんとなく」勧めてくるのは意味があることなのだろうか。


私が訪問診療で診ている高齢者に、呼吸機能が悪化して在宅酸素療法が必要になった方がいる。
在宅酸素療法では、家に酸素を発生する機械を置き、家にいる間はそこから管を伸ばして鼻から吸う。
外出するときは携帯用のボンベを引っ張って吸う。
訪問診療では十分な検査ができないために、このような患者さんは近くの大きな病院にかかって検査を受けたうえで治療を受け、それを普段はわたしが管理するような仕組みになっている。

ところが喜ばしいことに、その患者さんはものすごい回復力を見せ、すっかり酸素を吸わなくても以前と同じような暮らしをすることができるようになったのだ。
すばらしい。
酸素を吸う必要がなくなったので、在宅酸素の機械はもう必要ないんじゃないかと思い、大きな病院の医者に手紙を書いた。

しかし、その病院の医者の返事はどうも煮え切らない。
いやもうちょっと様子を見よう・・・と2か月近く経過。
さすがにもう大丈夫だろうと催促すると、酸素は吸わなくても問題ないけど、携帯ボンベは安心のため持っておいたほうがいいんじゃないかと言う。

在宅酸素療法はテイジンとか星医療機器などの業者との契約で成り立っているので業者に電話しても、一応置いておいてもいいんじゃないかという。

まあ別に吸わなくても、置いておいて困ることはないんじゃない?とみんなも思うかもしれない。
だが考えなくてはならないのは患者さんの負担だ。
在宅酸素療法を受けると、だいたい1か月で2万円ちょっとの自己負担が必要となる。
それ以外にもほかの病気の薬代やらなにやらかかるから、月の医療費だけでかなりなものになる。
この患者さんも結構痛いんだよなぁ、なんとかならないかねぇなんて嘆いていた。

医者が、安心のためとか念のために置いておいたほうがいいと思うのもわかるが、そこにはお金が発生しているのだという意識がまるで欠如してしまっている。
患者さんに1か月2万円を超えるお金を負担させ、ただでさえ足りない医療費も使うことになる。
そこに気が回らないのは悲しいことである。
そしてそんなこと医者がわからなくて当然じゃん、というふうに思われるのはもっと悲しいことである。

私はいま自由診療、自費診療に携わっていて、患者さんが払うお金とその対価(治療内容や効果)についてはかなり真剣に考えている。
患者さんがいくらのお金を使ってどういう治療を受けるかについてきちんと理解していなければつとまらない仕事だからだ。

しかし、これは保険診療でも同じことである。
不要な検査を受けてもそのお金を払うのは患者さんであるし、医者が心配だからと言って出された治療のお金を払うのも患者さんなのである。
医者や医療従事者は、もっとそのことに注意を払わなければならない。
自分がおこなっている医療行為がいくらで患者さん負担はどれくらいになるのかを知るだけでも、もっと治療に真摯になれると思うし、もっと患者さんと理解がしあえると思う。

とても大切なことだ。
| 服部達也 | 医療問題 | 17:49 | comments(3) | - |
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コメント
先生こんにちは。
他人事と思えず、キーボードを叩いてます。
母は40年ほど前に結核を煩ったのですが、その時に完治しないまま元の生活に戻ってしまったために真菌はなかったものの、少しずつ肺を蝕まれ続けた結果、2年前に急激に体調を崩して、肺がぼろぼろになってしまってたことに気付かされました。
幸い、今は家でのんびり過ごしてますが、次に入院となればその時は実生活でも酸素ボンベが必要になると聴いてます。
月に2万円もかかるのですね。母は自身の年金は殆どなく、遺族年金と同居する姉に養って貰ってます。ただでさえ遠慮深い母ですから、それを知ったらとても辛いと思います。
老人にとって、2万円は大金です。母は恐らく月の生活費を2万くらいに抑えて生活しています。そうしてコツコツ貯めたお金で孫たちに必要な物を買ってくれてるので、申し訳なくなります。
その患者さんも、その2万円があれば、何かしたいことができるのかもしれませんよね。
| モナムール | 2012/10/05 7:19 PM |
医者や医療従事者が、服部先生の様にもっと真摯に患者と向き合ってくれたなら・・・
私達、患者側も病院に対する嫌な認識もなくなります。

先生にエールを送りたいです!
先生、がんばれ〜!!
| リカちゃん | 2012/10/09 1:05 PM |
>モナムールさん
こんにちは、返事が遅くなってしまいすみません。
本当に必要であれば、それで命がつながるのであれば2万円は仕方ないかもしれません。
2万円というと、1年に24万ですよ!(そりゃそうだ)
必要ないならとっととやめるべきですよね。

>リカちゃん
まあ、口だけ番長といううわさもありやすが。
| 服部 | 2012/10/09 4:31 PM |
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